「あ〜そうかも、ね?深谷君」

「うん…」

「前に研究所から脱出した時に、海岸まで送ってもらったんだよね〜」

「それは、それは…」

二人が周りを囲むイルカに挨拶を返すと、同じスピードで泳ぎながら会話が始まった。

「この間は、ありがとうね〜」

「助かりました…」

ハル君と深谷少年が、ニコニコ笑うイルカに話しかけた。

「よかったね〜」

「よかったね〜」

数頭のイルカが嬉しそうに、くるくると回転しながら答えた。

うっわ〜良く考えなくても、君達今、イルカと話してるじゃん!

「山形さん、感想は〜?」

ハル君が楽しそうに、聞いてきた。

「感動した〜!」

「ははは〜オレもです〜」


そんな素晴らしいサプライズもありつつ、海底散歩は終わった。



…終わった?

いやいや、ちょっと待ってね…?

確かに散歩は楽しかったし、イルカと一緒に泳ぐなんて貴重な経験も出来たよ?夏満喫しちゃったよ?

でも何か、大事な事を忘れてないか?自分…

そう、それは…