「まぁやってみましょうかね〜?ダメでしたら誰かにつかまって行けば良いですし」

「じゃあ、僕はハル君。よろしくね〜」

「ははは…いざとなったら深谷君、よろしくね?」

「了解…」

「で、では、私は先生にお願いしてもよろしいでしょうか?」

「ええ〜では、お手をどうぞ」

それぞれ手をつなぐと、高速移動の魔法のレクチャーが始まった。

「ではゆっくり唱えますので、ついてきて下さいね〜」

先生がそう言うと、深谷君がうなずいた。

『″マー・カイル・ユ・シエル・セー・リエル…』

輪唱のように呪文は不思議な響きをおびて、僕達の体を包み込んだ。



…結局どうなったかというと…

「…ちょっとがっかり…」

「いや〜そんなに落ち込まないで下さい、結構使えてますよ、山形さん」

深谷少年に手を引かれながら、僕とハル君は海の中を軽快なスピードで泳いでいる…

ロイズはやっぱ、すごいな〜