「で、今はその内容も忘れてしまっているんですよね?」

「ええ、ですから必要とあれば思い出そうかと…」

その言葉を聞くと、先生は大きくため息をついて微笑んだ。

「それは結構です、ありがとうございます。問題ありませんから、いっこうに…」

え〜?!僕は結構困るんですけど…




「遅いですよ〜何か収穫ありましたか〜?」

岩場に腰かけて、ハル君と深谷少年が僕らの帰りを待っていた。

「いいえ〜昔の職場見学が出来たぐらいですかね〜?」

「へ〜」

「では、帰りましょうかね〜」

先生がそう言うと、ハル君が一つ提案をした。

「修子ちゃん、帰りは泳いで帰らない?高速移動の魔法でさ〜」

「それはいいですね〜」

「オレこの間、深谷君に教わったんだよね〜呪文忘れちゃったけど」

すると、深谷少年が言った。

「復唱すればいい…」

「え〜いいな〜僕も使えるかな〜?」

「わ、私も使えますかね?当時はぜんぜんでしたが…」

僕と高田さんは前世で、魔法があまり使えなかった組だ。