「…思い出してしまいましたか…」

先生はやれやれと、苦笑した。

「記憶を消したんですけどね〜こんな風に思い出されてしまうとは…」

「え?消したんですか?」

高田さんが不思議そうにたずねた。

「ええ…陛下にはあまりにもショックな内容だったようなので、消させてもらいました…ですからあの日、彼と接触した時の記憶は覚えていないハズなのですが…」

「あ…すみません、その辺はまだ思い出していないみたいです…」

「え?でも今、叔父がフィルを呼び出した理由って…」

「ええ…私の見た夢の中で、フィルの叔父だと思われる方が言ったんです…君に話したい事がある、と」

「あ〜何だかややこしいな〜こんがらがる〜」

僕は頭を抱えて、考えを整理しようとした。

「…つまり高田さんは、陛下の記憶を消す前の記憶を夢に見た訳で、記憶を思い出した訳ではないのですね?」

うわ〜ややこしい〜

「ええ…」

「その夢の内容を高田さんは、夢だと思って日記に書いた…という訳ですね?」

「はい!そうだと思います!」

え〜?どうして今の会話から、その結論が導き出せるんですか?!先生エスパー?