「まぁまぁ先生、高田さんに聞いた方が、早く見つかるかもしれませんよ〜?」

「いったい何をですか?山形さん」

「言っていいですか〜?」

「仕方がないですね〜」

小さくため息をつくと、先生は肩をすくめた。

「高田さん、今探しているのはですね〜陛下の日記です」

「…え?」

高田さんから、意外な反応が返ってきた。

「どうかしましたか?」

気になった先生が、高田さんの側に来るとたずねた。

「あ…いえ、実は最近、日記を付ける夢を見まして…何だか内容は忘れてしまったのですが、恐ろしかった事だけは覚えています…」

「なるほど…ちなみに、その日記をどこに置いていたか思い出せますか?」

先生が優しくたずねると、高田さんは目を閉じて答えた。

「…机の一番下の引き出し…だったと思います」

と言って指した場所は、魚達が優雅に出入りしているガレキの山だった。

「ありがとうございます、高田さん…」

先生はお礼を言うと、その場所を注意深く探し始めた。