「あ、私の部屋はこちらです…」

高田さんがガレキの上を飛び越え、案内してくれた。

「意外と覚えているものですね〜」

「ええ、目をつぶっても、たどり着けそうな気がしますよ…」

「あ〜そこ執務室だった所ですね〜」

「ええ」

「玉座の間も跡形もないですね〜」

「ははは」

世間話でもするように、元フレイヤース王国・三本柱の二人が、宮殿の壊れっぷりを話している…

この二人にかかると、どんな会話も平和に聞こえるから不思議だ…

「あ、ここですここ…」

と言って高田さんが立ち止まったのは、ガレキの山と化した場所だった。

「まぁ、予想通りですね〜」

ちょっとセンチになった高田さんを無視して、先生はガレキの上を泳ぎ始めた。

「何かお探しですか?」

「僕も手伝いますよ、あれですよね〜?」

「あ〜高田さんは、いいですから〜」

先生は高田さんに微笑むと、丁重に断った。

「あ、そうですか…」

シュンとしてしまった高田さんを見て、僕はフォローする事にした。