山形さんには、いろいろ釘を刺しておかなくてはですね〜

「あ、あれ?何か寒気が…」

山形さんが、小さく身震いしました。

「大丈夫ですか、山形さん?風邪ですか?」

高田さんが心配そうに、山形さんの顔をのぞき込みました。

「いえいえ、大丈夫ですよ高田さん、気のせいみたいです。ははは…」

山形さんは力なく笑って私を見ると、また引きつり笑いをしました。

「クーラーのせいかな〜?」

「えっと、風邪薬が確かどこかに…」

「ははは〜頂いちゃおうかな〜?」

山形さんは頭をふりながら、考えを打ち消しているようです。

私は冷めないうちに残りのチャーハンを頂きながら、ほほ笑ましく二人の様子を見ていました。




「…では今日は、これで失礼しますね〜ごちそう様でした」

「いえいえ、どういたしまして…気をつけてお帰り下さいね、先生。山形さんも、どうぞお大事に」

「ははは…薬ありがとうございました。それから、ごちそう様です、いつもすみません」

「いいえ、年寄りの楽しみだと思って、付き合って下さいね」

高田さんに見送られながら、私達は用務員室を後にしました。