天候にも恵まれ、海の色は青く澄んでいて、行き交う魚の群れに見とれてしまう…

海底の研究所から宮殿に向かって歩き出す事になり、後はノープランらしい…

リーダーシップを発揮するタイプの人間はいないようで、自然、行き当たりばったりという感じだ。

先頭を歩いているのは先生で、岩場をくぐったり、魚とたわむれたり、ウニを見つけては収穫したりと海底散歩を楽しんでいる…

「先生、ここ、サザエがたくさんありますよ〜」

高田さんが手をふって、先生を呼んだ。

茶飲み友達組は、海産物の収穫を楽しんでいる。

「ここってさ〜昔、市街だったんだよね〜」

ハルが海底の砂地を見つめると言った。

その視線の先には、フレイヤース宮殿の廃墟があるだけで、周辺に建物は見当たらない…

大きな岩もなく、サンゴの群生と平らな砂地が広がっていて、見晴らしが良く、高い岩場があるのは少し離れた研究所の辺りだけだ。

「うん…」

自分も辺りを見渡すと、宮殿を見た。

「昔はもっと、高い所に建ってたんだよね〜」

山形さんが軽く海底をけると、5メートルほど浮上した。