「高田さんの所ですか?」

「ええ」

話に入ってきたのは、化学の三好先生です。

「仲良いですよね〜」

今度は地学の江原先生が興味を引いたらしく、話しかけてきました。

「今度、ご一緒にいかがですか?高田さんの煎れてくれるお茶は、最高ですよ〜?」

「ぜひ…!」

江原先生は年も近いせいか、良く話をする方です。

男性の先生ですが、中性的な香りただようナイスガイで、理系の教師に良く見かけるタイプです。

「さっき生島を見たぞ…知らん奴と深谷と海で遊んでた」

迫力満点の低音ボイスで話に加わってきたのは、生物学の土橋先生です。

ベテランの方で学年主任もしており、この準備室のボスといった所でしょうか…

「ウワサの生島ですか?トトカルチョのネタにされてる子でしょう?その子が何で、オケ部の新星・深谷と?」

三好先生は情報通の女性で、良くお世話になっている先生です。

「さぁ…?」

説明が面倒そうなので、私はそれ以上の追求をさえぎるように、やんわりと微笑みました。