「あ、そうだった!じゃあね、修子ちゃん。話聞いてくれてありがとう」

机から降りると、生島君が穏やかに微笑みました。

「いえいえ〜」

私は手をヒラヒラとふって、社会科室を出て行く生島君を見送りました。

「さて…」

がんばって仕事を片付けてしまいましょうか…

海底散歩なんて、貴重ですからね〜

私は社会科室を出て鍵を閉めると、夏休みの誰もいない静かな廊下を歩いて行きました。




「あれ〜どこ行ってたんですか?戸川先生」

理科準備室に戻ると、物理学の湯川先生が声をかけてきました。

「ちょっと、スイカ割りをして来ました」

ニッコリと笑って自分の席に着くと、二学期の授業の準備に取りかかりました。

「え〜?いいですね、スイカ割りですか〜僕も参加したかったな〜」

向かいの席に座る湯川先生が仕事をしながら、言いました。

今年、新卒で入って来た男の先生です。