「…修子ちゃん、まだ仕事?先生って大変なんだね」

生島君が楽しそうに、地球儀のビーチボール…もとい、ビーチボールみたいな地球儀をもてあそびながら言いました。

「ほほほ…そうでもないですけどね〜?」

「そう?ところで宝探し大丈夫なの?」

「…と言いますと?」

長い廊下を並んで歩きながら、生島君は地球儀をポーンと上に上げると器用にキャッチしました。

「高田さん…本当は行かせたくないんじゃない?修子ちゃん」

今度は人差し指の上で、くるくると回転させています。

「う〜ん、バレていましたか…実は前世でですね〜フィル…陛下がですね〜気がふれてしまった事が、一度ありましてね〜?」

「え?」

内容に反して、私は穏やかな口調で続けました。

生島君の表情が固まりましたが、まぁいいでしょう…

「どうも今回、宝探しで行く地下のお部屋がですね〜地下牢のすぐ隣にあるんですよね〜」

「え〜っと…問題でも?」

「ありありですよ〜?自分の一族を暗殺した首謀者が、その地下牢に収容されていたのですからね〜?」