「わぁ?!」

あまりの恐怖に、はね起きて叫んでいました。

呼吸が荒く手は冷え切り、体の震えが止まりません…

少し落ち着いてきて、辺りを見渡すと夜で、窓から月明かりが差し込んで部屋の中を照らしています。

見慣れた部屋の様子にホッとすると、急にさっきまで見ていた夢の事を思い出して震えがきました。

「…なんて怖い夢だったのでしょう…ああ…思い出したくないのに、あの男の顔が浮かんで仕方がありません…」

すっかり眠気が覚めてしまったのと、またあの夢の続きを見てしまわないようにベッドから降りると、外に出る事にしました。


「今日は満月でしたか…」

大きな格子扉を開けてテラスに出ると…水面に映った月の光が、ゆらゆらと海底に光のカーテンを作ってキレイです…

「あ…そうだ、明日先生に、夢の話を聞いてもらいましょう…先生の夢占いは、良く当たりますから…」

私は思い立つと、すぐに日記帳に今しがた見た夢の内容を書き留めました。

「…これでよし…」

文章にしてしまうと、何だか取り留めのない内容に思えて安心したのか、急に眠気が襲ってきました。

「明日は海底散歩でしたね…楽しみで…す…」

ベッドに入りながら、あっという間に深い眠りに落ちていきました…