「じゃあ、オレ取って来ますよ」

クーラーボックスを置いて残りの荷物を取りに行こうとすると、修子ちゃんから車のキーが手渡された。

「あ〜僕も手伝うよ…」

山形さんが立ち上がって一歩踏み出そうとした所に、深谷君も同じタイミングで立ち上がると、ものすごい音がした…

「だ、大丈夫?!二人とも」

「どうしてそうなるのでしょうね〜?ほほほ」

心配するオレと高田さんの隣で、修子ちゃんが笑っている…

解説すると、二人はお互い頭突きをし合う形になり、頭を押さえてうずくまってしまった…という訳だ…

「フーーーッ」

山形さんが目に涙を浮かべて頭を押さえると、空いている手で深谷君の頭をなでた。

「ごめん…大丈夫?」

「はい…すみませんでした」

「二人は休んでて…オレ一人で大丈夫だから、じゃあ行って来ます」

「あ〜ちょっと待って、ハル君」

後ろをふり向くと、頭を押さえた山形さんと深谷君が追いかけて来て、オレの両脇に並んだ。