深谷君は器用に地球儀を打ち上げると、山形さんにつないだ。

「ハル君、そ〜れ!」

ふざけてアタックのフリをしてきた山形さんのボールを、オレは山形さん目がけて力いっぱい打ち込んだ。

「今日は暑いですねっ!と」

「うわっ、やったな〜♪」

山形さんも負けじと、打ち返してきた。

前のめりになりながらも、レシーブして返すと何度かラリーが続き、砂浜の砂が舞い上がった。

容赦なく照り付ける太陽を浴びながら、汗が吹き出る…

山形さんが思い切り海に向かって、地球儀を打ったのをキッカケに戦場は海へと移って行った。

「ははは〜負けませんよ〜」

「ははは〜なんのなんの」

水しぶきを上げながら、山形さんは地球儀を追いかけて拾うと、見事に返してきた。しかも、かなりムリな所に…

「わ〜」

オレはやけくそにながら横っ飛びすると、水しぶきが大きく上がり、海の中へと飛び込んだ。

汗だくの体に、海水が超気持ちいい!

試合の事など忘れて、オレはそのまま泳ぎ出した。