白砂の間からブルーのはめ込みタイルがチラリと見え、丁寧に砂をよけると、そこにフレイヤースの紋章が現れたではないか!

「やった!ハル君、入口み〜っけ♪」

「え?!本当ですか?」

「本当本当♪一応写真撮って、先生達に確認してもらおう」

「やりましたね、山形さん」

僕は周りのガレキや砂をキレイによけると、写真におさめた。

撮り終わるとハル君が、 手を差し出して軽々と引き上げてくれた。

「本日の仕事終了〜♪」

僕がそう言って、ハイタッチのポーズをすると、すかさずハル君が満面の笑みで応えてくれた。

海の中で手が打ち合わされると、不思議な音を立てて響いた。

地上とは違う音の響きがある…

水の泡が上がって行く音や、海がゆらゆらとゆれる音…

魚が通り過ぎる音…自分の鼓動が鳴る音…

つねに音に包まれているのに、静かだなぁ…と感じるのは不思議だ…

ああ…また意識がトリップしている…

ハル君の声を遠くに感じながら、階段を下へと泳いで行く…

地上よりも呼吸が、楽な気がする…

ハル君に手を引かれ、研究所に帰るまでの間…少しだけこうしていよう…