「修子ちゃんの話だと、宝物庫は地下にあって、その入口として小さな部屋があったって言ってましたよね〜?」

「うん、上の部屋はレプリカとか飾ってあったって…そのレプリカの破片でも見つかればね〜」

そう言いながら、手当たり次第写真を撮っていく…

帰ってから先生に、検証してもらうしかないな〜

「あ〜山形さん、そろそろ帰る時間です…」

「え〜もうそんな時間?」

ハル君のそばに行こうとして、大きな柱が重なり合う所の一番上に飛び乗った。

…が、足場が悪かったらしく、ズルッとすべってバランスを崩すと、後ろに転んでしまった。

「わ〜っ!?」

「わ〜大丈夫ですか?!」

ハル君が柱の山越しに、顔をのぞかせた。

「うん、平気・平気」

海の中は水の抵抗のお陰で、転倒の衝撃はあまりなく、お尻を着いてもたいして痛くなかった。

上手い具合に、物と物とのすき間に落ちてしまい、抜け出そうと着いた手に力を込めた瞬間…

積もっていた白砂が舞い上がると、手に何か触る感覚に気づいた。