先生のこの言葉に、二人からブーイングが上がった。

「え〜?お〜ぼ〜反対〜」

「何で、今日は40分なの?修子ちゃん」

「昨日も言いましたが、ほんのちょっとあちらに行くだけですから…午後の予定に差し支えますからね〜?深谷君」

今日は研究室内で用事がすむとあって、先生は軽装だ。

「そっか〜深谷君、午後から練習あるもんね〜」

ハルが自分の頭をなでながら言った。

思わず練習は別にいいんだけど…と言いたくなる。

実際、何が何でも練習しなければと言う訳じゃない…

ただ、ハルと山形さんだけで宮殿に行くに当たって、先生が万一を考えて、早めに切り上げた方がいいという考えらしい…

「時間短縮のためとはいえ、地下通路を使うとは、とほほ…」

「でも山形さん、絶叫マシーン得意だって面白がってたじゃないですか?」

「まぁ、行きは速度がゆるいですから、気を失う事はないですよ?帰りは気を失っても、研究室に私達がいますから安心して下さいね〜」

「あははは…」

二人は力なく笑うと、先に扉の中に入って行った。

「速度、何とかならないんですか?」

「ほほほ…イースがいたらね〜?」

「…行きましょうか」

一つため息をつくと、先生の後から扉の中に入って行った。