「すみませんね〜朝からお付き合い頂いて〜」

「いえいえ〜ネタになるなら、たとえ火の中、水の中〜」

「ほほほ…あなたに言ったのでは、ないのですがね〜?」

「ははは…先生冗談きついな〜」

山形さんと先生の不毛なやり取りを横目に、高田さんが名残おしそうに麦わら帽子とタオルを首にかけて、用務員室を出て行く所だった。

「…では、私は仕事に行って来ます…昼食を用意しておきますので、どうぞ皆さんは楽しんで来て下さいね…」

「はい、とりあえず下見して来ますから〜」

ハルが高田さんを笑顔で見送った。

自分も仕事へ行く高田さんを見送ると、先生と目が合った。

「行きましょうか?」

「はい…」

「置いてっちゃいやですよ、二人とも〜」

山形さんが自分の肩に手を置くと、先生と自分の間に顔を出した。

「二人がいないと帰って来れないのが、ツライですね〜」

ハルもそう言うと、海底の研究所につながる扉の前に立った。

「先程話しましたが、今日は40分がリミットですからね〜?帰って来れなかったら、置いていっちゃいますからね?」