「そうですね〜」

和やかに笑う先生と高田さんをよそに、ハルと山形さんが自分の方に顔を寄せると、真意を聞いてきた。

「…本当に大丈夫だと思う?深谷君」

「…ごめん、ハル…さすがに自分、宝物庫には関わってなかったと思う…」

「そっか〜」

すごくがっかりした二人を見て先生が言った。

「え〜そんな事ないですよ〜?」

「…え」

「ほら、良く魔法道具を返しに行ってもらっていた部屋ですよ〜」

「え…あそこ宝物庫だったんですか…?」

単なる倉庫だと思っていた。

「一応、衛兵の方も立っていたと思いますよ〜?」

そう言えば立っていた気がする…

昔から宮殿に出入りしていたせいか、顔見知りの衛兵だったので、顔パスで出入りしていたような…

宝物なんて、あったかな…?

「宮殿の見取り図を作りませんか?宝の地図みたいで楽しそう」

ハルの一言で、見取り図作りが始まった。

B4のコピー用紙に、宮殿の見取り図が山形さんを中心に書き込まれていく…

「お〜これ、本の挿絵に使えるな〜♪」

などと、山形さんはノリノリだ。