「……おい」

「……っ!」

……やっば、調子に乗り過ぎて時間気にしてなかった。

恐る恐る振り向くと、そこにはお風呂上りの彰人さんの姿が。
上半身裸にタオルを首にかけ、下だけズボンを履いている。
濡れた髪と裸がなんともセクシーで、思わず両手で目を覆った。

「きゃっ」

「……それ、隠す気ねぇだろ」

彰人さんに、はぁとため息をつかれながら言われる。
確かに、手で目を覆ったはずなのにしっかり見えている……。
なぜだ……?

はっ!
目のとこだけ手が避けているっ

いい男の裸を見たいという本能には抗えなかったか。


「なんで勝手に入ってんだよ」

「すいません、溢れ出る好奇心をどうしても抑えられなくて……っ」

「はぁ、これじゃ先が思いやられるな……。言っとくけど、もうこうれ以上一緒に暮らせないと思ったら、次の転居先決まっなくても容赦なく追い出すからな」

「そんな……っ、実の妹なのに。あんまりです」

「悪いけど、俺は今更お前のお兄ちゃんになるつもりはない。勝手に、家族として認識されるのは迷惑だ」


……そっか、だから冷たかったんだね。
しょぼんと俯く。

でも、


「そんな寂しいこと言わないでください!」

すぐさま顔をあげて、両手で拳をつくりながらそう言った。


「は……?」

「たった2人の兄妹じゃないですか、支え合って生きていきましょうよっ」

「俺はお前の支えなんてこれっぽちも必要としてないけどな」

「うーっ」