だけど、巡り会わせてくれたお兄さんは本当に私のお兄さんなんでしょうか?
世間一般のお兄さんってこんなに冷たいもの?
もしかして私の存在って迷惑……?
そんなことない、きっと照れてるだけだ。
急に妹だって言われて、受け止められていないだけだ。
彰人さんは今、人見知りしているだけであって、一緒に住んでいるうちに、きっと仲良くしてくれるようになるはず……っ。
「ハム子っ、私頑張るからね」
そう決意し、鼻息を荒くしながらダンボール箱を開けていく。
ひとまず、引越し業者さんが運んでくれた私の荷物は、彰人さんの物置部屋に置かれていたのだ。
……しかし、ちょっと私には贅沢過ぎるお家だ。
この簡単に使っていいって言われた物置部屋にしたってそう。
私の前住んでいたお部屋より広いんじゃなかろうか……。
きょろきょろ部屋を見渡す。
彰人さんのお部屋はもっと広いんだろうか……?
それは、ちょっとした好奇心だった。
こっそり、部屋を出てリビングへ。
そして、彰人さんの部屋と思わしきドアを開ける。
そこには大きなベッドが一つ、でーんと置いてあった。
そして壁にはクローゼット。
だけど昼なのに暗いなー、カーテン締め切ってるからか。
シャっと開けると、そこからはそれはそれは見事な眺めが広がっていた。
夜景なんて素敵なんだろうなー……。