赤みをおびた雨の中に再度出た時にはもう、街ゆく人間の数は疎らで、店はどこもかしこも閉まりかけの状態だった。


 どうにか生徒会役員の許しを請うことに成功した玖珂井は家を目指しながら、これからどうするかを考えていた。



 このまま家に帰らずに、元のテスト時間に戻るか、それとも、もう少し過去時間に滞在して家に帰って寛ぐか__。



(んー。
やっぱり、もうちょっと過去でのんびりするかなぁ……)



 かつて太陽に愛されたその美しき青を失い、暗黒と化した天空の下、


過去へとやってきた少年は、一つの決断をして道の先を駆けて行く。


















 その現場を目撃するまで。