大宮隆士先生。
男性の担任の先生だ。
気さくな方で編入生の私を気遣い職員室から教室までの移動中学校の事を色々教えてくれたりした。

…担任が怖い人じゃなくて良かった…。

案内された教室は【2-B】と書かれていた。
この学校はA組、B組、C組、と分けられているらしい。

先生が先に教室に入ると廊下にいた時はワイワイとしていた教室がシン…と静まりかえった。
そして先生が私を招きいれ、私が教室に入った時にはまたワイワイというよりはザワザワと騒ぎ始めた。

こういう反応って万国共通なのかしらね…。

先生が大きな声で自己紹介を始めるので静かに!と注意すると生徒たちは声を静かにし、ジッと視線を向けてきた。

なんだか恥ずかしいなぁ…これだったら喋られて注意がそれてた方が良かった気もしなくも…。

先生が視線を合わせてどうぞ。とサインを送ってくる。
私は少し緊張し震えながらも結局は言わなきゃいけないんだと腹をくくり…。
「家の事情で最近引っ越しをして編入してきました。大友 楓って言います。えーっと…よろしくお願いします。」何を言ったらいいかわからず無理矢理軽く頭を下げて自己紹介を終了してしまう。
「あはは、簡潔な自己紹介でしたね。もし趣味とか色々気になったら本人に聞いてみてください。」少し笑いながら軽く言う先生はそのまま続けて
「じゃぁ空いている窓側の一番後ろの席あるでしょ。そこに座ってください。」
教室に入った時から気づいていた空いている席。
きっと元々使われてない席だから一番後ろにあったんだろうな…まぁ妥当か。
しかしまた一番後ろまで行くとなるとその間人の視線が気になるわけで…。
教室の端から端がこんなに遠く感じるとは思わなかったな…。
やっと席についてもまだ少し視線を感じたが、先生がいつも通りというように慣れた感じに朝礼をしてくれたのでその後はあまり気にしなかった。