あの時の君はすごく優しくて
馬鹿なあたしはもしかしてって少し期待していた


少し肌寒い秋、テニスコートで練習をしていた。
休憩の時間、あたしは椅子に座り親友のさくらと恋愛相談をしていた。
あたしの好きな人は中学3年生で2つ年上

「奏と有輝さん両思いだと思うけどなー」
ソフトテニス部の人達はみんなそんなこと言う

そんなはずないのに

有輝さんには好きな人がいる
浅倉 愛香さん
有輝さんと同級生で同じクラス

背が低くて可愛い人。話したことはないけど見た感じいい人に見えた

有輝さんから聞いた
恥ずかしそうに、顔を赤くして
あぁ、本当に好きなんだなぁってなんだかんだ悲しくなった。

「前にも言ったけどあの人とは同じ小学校で少し仲がいいだけだからね」
そう、少し仲がいいだけ
ほかはなにもない