「なんだか悪い気がしてきて」
「何を言ってる?狩りも恋も早いもん勝ちだ。お前はこのまま一生後手後手のままでいいのか?」
「・・・それはいや」
「なら狙え。やる前から何もしないのが一番後悔するぞ」
 ええい!
 少女は目をつぶり、マジックハンドに白い果物を取るように念じて発射。
 しかし、マジックハンドの使いに慣れていないせいか、先端の手の部分は握りこぶし。
 ボコッ。
 二本あった低い木のうち、被害を受けなかった方はビックリして逃げ、被害を受けた方はその場に倒れた。
「まさか殴って狩るとは・・・」
「だ、だ、大丈夫かな!?」
「安心しろ。アイツは木だからコブとか出来ないし、気絶しているうちに白い果物を取ってこい」