キンコンカンコーーーン。
 キンコンカンコーーーン。
「あ〜あ、授業始まっちゃった。じゃあ後でね〜」
「あ・・・」
 友だちの葵は自分の席に行き、少女は今日もいつもと同じことを繰り返してしまった。
 少女はいつもあと一言が出ない。
 それを何度も変えたいと願っているのだが、タイミングが悪いのか運が悪いのか、それを変えることが出来なかった。
 どうせ私は・・・。
 口ぐせのように心の中で唱えるこの言葉にも嫌気が差していた。
 しかし、少女の口ぐせは今日も変化することはなかったのであった。
 ガラッ。
 教室のドアが開き、このクラスの担任豊田が教室に入るとクラスの委員長が号令を発した。
「はいおはよう」