街にはカップルがたくさんいて。
どこもみんな楽しそうで。
幸せムードで溢れかえっている。
隣で少しだけ離れて歩く私達。
気まずさからなのか。
ほとんど会話も無く。
“うん” と “そうだね”
そんな二つのあいづちばかり。
それに、顔も見合わせない。
歩くスピードもバラバラで。
歩くのが早い玲央と遅い私じゃ、
私はフられた彼女みたいにみえる。
それに、カッコいい玲央と歩けば、
通り過ぎる人はみんな
「つりあわない」
と笑い、その目が嫌になる。
出かけようって誘ったのは私。
だけど、こんなのは苦痛でしかなくて。
それに合わせるかのように不機嫌な玲央。
去年だったら、こんなきもちには
ならなかった………はずで。
なんだか、自分のきもちについていけない
心のずっとずっと奥の自分がいる。