時間が止まったように私の表情が凍りついていくのが分かる
いつのまにか、周りのカップルが視界に入らない
見えるのは………玲央だけ。
少しだけ難しい表情を浮かべた後に
「………そういうことか……ごめんな?」
困ったように笑う。
「好きな人いないんだから……俺にもまだチャンスあるって事だよな?」
………チャンス?
「………どういう意味…?」
「俺のこと好きにさせてやる!」
そう言って、私の頭を強く撫でる。
え?
“好きにさせてやる”?
まって、まって……
顔が熱くて………
ドキドキして……
好きを教えて?
好きが分からない私に教えてくれるの?
“お願いします”
そう言ったら教えてくれるの……?
「で、できるわけないでしょ!」
思ってないことを口走って。
なんか………このドキドキって……
なんか……
「絶対に好きにさせるからな!」
その笑顔が私の頭の中をかき乱す。
もう、頭の中も髪の毛もぐちゃぐちゃだ…。