桐生君の手には私のお弁当が。
「あ、やっぱおまえのか。これ。
机の上におきっぱだったから。」
だからって、とることナいのに!
「これ、返してほしいか?」
「うん!」
私の命と瑠璃の次にたいせつなもの!
「なら、
俺のパシりになれ。」
…………………………
「え?」
「もう一度言う。
返してほしかったら、俺のパシリになれ。」
パシリって、あの、パン買ってこい!とかのやつ?
「いや。めんどくさいもん。」
「だったら、コレはお預けだな。」
ヒョイと上に上げられるお弁当。
ああっ!
「わかった!パシリでも下僕でも何でもなるから!私のお弁当返して!」
ニヤリ
そんな効果音がつくんじゃないかと思ってしまう。
「録音したか?修。」
「ああ。完璧だ。」
そう言って、修と呼ばれた後一人の男はズボンのポケットからレコーダーを取り出し、再生ボタンを押した。
《分かった!パシリでも下僕でも何でもなるから!私のお弁当返して!》
さっき、私が言ったセリフが流れる。