転びそろうになったのを桐生君が支えてくれたらしかった。
「お前、ドジだな。初めて会ったときもぶつかってきたし?
たく。目が離せなくなるだろーが。」
そう言いながら、優しく微笑んだ。
ドキドキと心臓が高鳴る。
うるさいくらいに。
「ふっ。お前顔、真っ赤。
俺に見惚れたか?」
「な訳ないっ!離れてっ!」
私は離れようと桐生君の胸を押す。
けれど、全く動かない。
さらに、
ギュッと強く抱き締めてくる。
?!?何がしたいの、この人はっ!
ドキドキしすぎて心臓が破裂するからっ…!
「すげーうるせぇーな。ここ。」
そう言いながら心臓の部分を指さす。
「…っ、
いいから、離れて!」