私が恥ずかしさで悶えていると、男の人は手を差し出した。
「え、あの?」
なんだろう?この手。
「私と踊っていただけませんか?」
踊るってダンス?!
わぁ!絵本とかでもダンスのシーンがいっちばん好きだったんだよね~!
ちょっとだけやってみようかな。
そう思い、差し出された手に自分のそれを重ねようとすると、手首に衝撃がはしった。
「随分遅いと思ったら、何してるんだ?」
恐る恐る顔をあげると、
「あ、アレン様・・・?」
黒い笑みを浮かべたアレン様がいました。
あまりの黒さにオロオロしていると、アレン様の空いていた方の手が腰に回った。
「ひゃっ!」
突然のことに小さく悲鳴をあげ、気がつくと、
アレン様の腕の中にすっぽりとおさまっていました。