初対面の私が言うのもなんだけど、作り笑いを浮かべたシオン様の顔を見ると、昔の私を見ているようで辛い。


「強がる必要はないんです。私達は一人では生きていけないんですから。」


シオン様は黙りこくっている。


え、怒らせちゃった?


「じ、じゃあ私はそろそろ戻りますね?」

私はそれだけ言い、物影からでていった。


「ふぅん。気に入った。」


その呟きは、私に届くことなく、会場のざわめきの中に消えていった。