ざわついていた会場がピタリとしずかになる。

アレン様を見て顔を染めたり、憧れの視線を向けたりしていた人達の視線が私に移る。

すると、静まったはずの会場に、またどよめきが広がる。


「何?あの女!」
「王子様の隣に並ぶなんて図々しい!」
「あんな女よりも、私の方が美しいわ!」


うわー。

スッゴい悪口言われてる。

けど、自分が不細工なことくらい、重々承知なんですけど?!


「王子の隣にいる美しい女性は誰だ?」
「なんと美しい!」
「この世のものとは思えないな。」


しかし、怒り心頭の葵は、皮肉と同じだけ男達の熱い視線が集まっていたことを知らない。