「メイドごどき?あなた方が人のことを<ごと き>何て言えるほど、素晴らしい人間には見
 えないのですが?」


「な!?私に向かってなんて口をきくの!」


女はそう叫び、手を振り上げた。

その瞬間、俺は飛び出していた。

葵の前に立ちふさがり、今にも降り下ろされそうな手を、とっさに掴んでいた。


「アレン様ぁ!今、この無礼な女に、身の程を わきまえさせてたところですのぉ!」

女は手をつかんでいる俺に気がつくと、甘ったるい声で言い、俺にしなだれかかってきた。


気色悪い、不快、そんな感情しかわいてこなかった。