「葵。これからメイドを選ぶが、何か希望はあ
 るか?」


メイド?!あ、でも、妃候補だから仕方ないか。


「できれば同年代の方が・・・」



どうせなら友達とか欲しいし!



「分かった。後程部屋に行かせる。」



「何から何までありがとうございます。」


「いや、いい。それと、」



部屋から出ようとし、振り返って言った。



「髪、もとの方が似合ってる。」



一瞬、時間が止まったかのような感覚を覚えた。この髪を似合っていると言ったのは、芽衣しかいなかったからだ。




この人なら、信じてもいいかな?




そう思えたのも久しぶりのことだった。