ひとまず、おそらく高価であろう椅子のすみに腰を下ろした。


「何しよう。」


下手に物をさわって壊したりしたら大変だし、かといって部屋を出ても迷子になるのは目に見えている。


「うーん。」   


腕を組んで唸っていると、扉がノックされた。



「俺だが。」


聞こえてきたのは、さっきの親切な王子様の声だった。



「あ、はい。」


急いで扉に駆け寄り、開けると、王子様と、もう一人知らない男の人がたっていた。



「ど、どうぞ。」



自分の家でもないのに・・・と、思わなくもなかったが、それよりも、もう一人の男が気になった。