「英斗…、
す、す、す…っっ」


声に出してみた。
声が震える。
こんなんじゃ、言える訳、ない。



「好き!!!」




思い切って言ってみたら、
大きな声が出た。


危ない、あいつに聞こえてしまう。
私と英斗は、家が隣。
そして、英斗の部屋は、
私の部屋とベランダを隔てた先にある。
つまり、すぐ近くに、あいつが、いる。



「すき、すき、すき…」



小さな声で、唱えてみた。
何だか、もう恥ずかしい。