由奈side
ピピピピピ ピピピピピ
…ん…………朝か。
眠いなー
昨日は'仕事'に夢中になりすぎた
時計を見ると7時を指していた
それから身支度をして
いつもの'メモ帳'を持って家を出た
「行ってきまーす!」
「いってら~」
兄の恭也-キョウヤ-が見送ってくれた
私は四人家族
お父さん、お母さん、恭兄
そして私、若葉由奈-ワカバユナ-
お父さんはレコード会社の社長で
お母さんはその助手をしている
その影響なのか恭兄も歌手になり
私もそっちの'仕事'をちょっとしてる
「由奈ちゃん」
後ろから聞こえてきた声
振り向かなくてもわかる
柔らかい声で、私を『ちゃん』付けする
「愛莉~!……………と颯太!」
「おはよう、由奈ちゃん^^」
「え……今の間なに?」
山下愛莉-アイリ-
私の親友。中学校から一緒
川上颯太-ソウタ-
私の幼馴染み。ずーっと一緒
「愛莉おはよ~✩」
「え、俺は無視?」
「颯太………邪魔ぁ」
「ひでぇ、ずっと一緒に育ってきた仲じゃん!」
「うるさい!私は愛莉が好きなのー!」
「うわ!取んなよ俺の愛莉!」
「きゃっ………2人とも痛いよ……」
愛莉と颯太は付き合ってる
……………つい最近から
実際は高1から両想いだったんだけどね
「愛莉は俺のもんだし!」
「そ、颯太くん……///」
そのやり取りを見て
胸が締めつけられる思いになったのは
二人には内緒。
「じゃーお邪魔虫は消えますよーだ!」
そうして教室まで走ろうとした
けど………
ドンッ
「きゃっ」
一般棟の角で誰かにぶつかった
いったぁい
思いっきり頭と鼻を打ってしまった
「大丈夫?」
心配そうな声が上からした
顔を上げると
綺麗な
美少年?