「お疲れ様でした」
「おっつかれさまでーした☆」
疲れた…………
アイツとのキスシーンとか最悪!
まぁ結構してきてるから
抵抗はないけどさ
「あ、ねぇ悠斗くん」
俺の仕事相手、陽子から呼び止められた
「あのねぇ、私お友達になりたいの!」
へえ………俺はゴメンだけど
「悠斗って呼んでもいい?」
そう言って上目遣いで
口を尖らせて俺を見る
それ可愛いと思ってんの?
キモいし。
俺はさすがにこれからの状況を考え
本音を言い出すことができず
「……いいですよ?」
と言ってしまった。
「よかったぁ!じゃぁまた明日ねん悠斗☆」
手を振りながら出ていく荒川陽子
20歳、176、猫撫で声、男たらし
俺には最悪すぎるくらい
くっついてくる女だ
『悠斗』
俺は…………
そういえば、俺の事を呼び捨てするの奴は
限られてたな
荒川陽子は好きにしろって感じ
由奈……
そういえば由奈だけだ
俺が心から笑い合えるのは
”今は”由奈だけ
そう、”今は”………な。