ヒソヒソ




コソコソ







「………」






一般棟よりはマシだが……






自分らが一応芸能活動をしていると

自覚していてこれなのか?






周りが芸能人だらけの芸能科でも




そんなに俺らが気になるもんなのか?






「まぁまぁそんなイラんなって」




「……毎日これじゃイラるだろ」






「でもまだ入学して1週間だぜ?」





…………まぁ。



たしかに俺らのことを見ているのは





2、3年も多いけど





圧倒して1年。つまり新入生だな。






「どうして俺らが気になるんだ?」





「そりゃぁ、有名ですから?」







「一応あいつらも仕事してんだろ?」






「まぁ芸能科つっても緩いからな」





'読モとかもいるし'





と、付け加える魁斗







そして教室についた俺たち







俺らのクラスは30人。






まぁ魁斗が言ったとーり



芸能人つっても毎日普通に

学校に来るやつも結構いる







まぁ、あれだな。










つまり














あまり仕事がない奴ら。












別に自分がスゴイって訳じゃないが






「……………………と……」






実際今日は学校来てるし






「…………い……………と……」








まぁい「おい!悠斗ー?」……………。






「大丈夫か?ボーっとしてんぞ?」







「あぁ、大丈夫だけど」







たしか今日の朝も彩奈と

こーいうことあったよーな







「それに顔色も悪いぞ?」





「まじ?昨日は4時間寝たんだけど」





「1限目は数学だしサボれば?」







「確かに気分悪いかも。保健室行くわ」







そーいって魁斗に手を振り




来た道を引き返した







行き先?








んな屋上とかでサボるわけないだろ?






保健室行くし。行けるし。寝たいし。






「………保健室」







待てよ。






ここは芸能科がある一般棟とは別の棟









保健室は一般棟にあるわけで








うわ……俺1人で一般棟を行くのか








仕方ない












…………と思っていても






「「「なんで?!悠斗様よ!!」」」




「朝からちょーラッキー!!」



「きゃー!目が合っちゃったぁ!」







うざ。うるさ。目合わせてねーし。






やっぱりギャーギャー言う女は苦手だ





芸能人ってだけで寄ってくる



物好きめ






それより保健室をさがドスッ……おぇ







「きゃっ」






急に胸が圧迫され小さな声が聞こえた





下を見ると頭を抱えている女子






やべっぶつかった時に打ったか?




「大丈夫?」






俺はできるだけ優しく言った





「だ、大丈夫……です」





そう言って俺の前からすぐに


立ち去ろうとするこの女






俺を見て叫びもしない


握手や会話を求めてこない




こんな女に初めてあった








「面白い女……」




俺は周りの奴らが見ているのを無視して





自然と骨格が上がるのが分かった