悠斗side
泣いている理由を知った俺は
いてもたってもいられなくて
…………………いや、それは口実だ
実は、似てるんだ
歌の歌詞に。
友達の好きな人
つまり好きな人の好きな人
私はどうすればいい?
こんなのって、ないよ
過去に戻りたい
誰かに話したい
でも臆病な私は
いつも塞ぎ込んで
一人で泣いてしまう
………泣いている彼女の声に
体が反応してしまった
あと一つの理由は
まぁ若葉由奈をみたかっただけ
こちらを見て驚いている若葉由奈
男たちが噂していた通り
可愛い……というより綺麗だった
それに涙はひいたのだろうが
目の周りに少しだけ
キラキラ光るものを見逃さなかった
それがまた俺には綺麗に見えた
のは………秘密にしておこう
「あのさ」
別に何も言うことはなかったが
2人とも見つめあっている状態で
何も言わなかったから
気まずくて声をかけてしまった
「………綺麗」
…………え?
何を言うんだコイツ
それに周りの奴らみたいに
キャーキャー言わないし
変な奴
そして、まさかと思ったけど
一応聞いてみた
そしたら、まぁ。いるよな
それにしても、毎日テレビ見てると
俺が何かしら出てくるのに
知らないのか?
そして今気づいたこと。
「もしかして朝ぶつかった……」
あ、そうだ。
この子だぶつかったのは。
俺に興味を示さずに
走り去っていった女の子