その後、ベースのユウさん。

ギターのシゲルさん。

そして……ハルヒコくんが最後にマイクスタンドの前に立つと、タカさんがドラムを打ち鳴らして更に歓声が上がった。

う、うわ、

すでに耳がおかしくなりそうなボリューム……。

両手で耳を覆い隠そうとしたけれど、途中でその手を止めてハルヒコくんを見つめた。

するとそれに気付いたかのようにハルヒコくんが私の方を見て。

ペコリ、と頭を下げた……ように見えた。

前から後ろから突き上げられる拳で、良く見えなくなっちゃった……。

もう~、せっかくハルヒコくんの姿が見れたのに、何で背が小さいの、私ってば~!


タカさんのドラムに合わせるようにベース、ギターが静かに(といってもかなり大きな音だけど)入っていく。

そして、どん、と爆発するように曲が始まった。


音が、体を貫いていく。

お腹から突き上げられるような感覚に、私は固まった。

チラっとナオちゃんを見ると、他の観客と同じように、右手を掲げて飛び跳ねている。

ハルカだけが心配そうに私を見て何か言ってるけど、全然何を言っているのか分かりませーん!