その日の夜はなかなか寝付けなくて、気がついたら朝になっていた。

フラフラで大学まで行ったら、休講の張り紙が……

「チッ。もっと早く言えよ」

後ろからそう毒づいたのは、今日も眩しい金髪頭のナオちゃん。

いつも濃いメイクだけど、今日は更に気合いが入っているような……。

「おう、マユ。今日だな! 楽しみだな!」

「うんっ」

「夕方5時に東駅で待ち合わせだからな。遅れんなよっ」

「うん、分かった!」

ナオちゃんは手を振りながら去っていく。

あのチケットは、ハルカとナオちゃんに渡して、ナオちゃんからサオリちゃんとそのお友達に渡されたみたい。

ライブなんて、一度も行った事ないけど、どんな感じなのかな~。

あのハルヒコくんの歌声って、どんな感じだろ~。


ニマニマ~っとしていたら、休講なのに同じく学校まで来てしまったハルカにばったり会って、一緒に街をブラブラすることにした。

ウインドウショッピングをしている間も、ご飯を食べている間も、ずっとドキドキしっぱなし。

5時にナオちゃんとの待ち合わせ場所に着く頃には、すでに疲れていた……。