「ようちゃん。お茶でも飲みに行こう。」

そう呼ばれて、

仕方なく彼の車に乗った。

走り出した車の中。

口を開いた彼は言う。

「俺と付き合った子は未だに結婚していないのが多い。

 あの○○(ペアルックの子)もまだだし。」

「俺は今度、結婚する。こどもができたんだ。女の子。」

「煙草を吸う女とキスができるようになったよ。試してみる?」

その軽い口調に

反吐が出そうになるのを必死に堪えた。

車に乗った自分に腹を立てた。

「帰る。引き返して。」

気分が悪かった。

こんな男がどうしようもなく好きだった自分に腹を立てた。

いったい彼は

なんの目的でわたしに会いに来たのか?

ほんとうにわからなかった。

もう会うこともないだろう。