沖田「じゃあちょっとここで待ってて。みんなを呼んでくるから」
そして私たちは案内された和室に入って適当な場所に座った
海斗「おいおい。どうするんだよ?屯所に来たって話すことないだろ?変に怪しまれるだけなんじゃ...」
真紀「...確かに話すことはないけど何とかなるから!私に任せて!」
すると3人の男の人が中に入ってきた。
ひと段落ついたところで真ん中に座っていた大柄の人が話し始める。
「はじめましてだな。えっと何から話したらいいのか、とりあえず俺は新選組局長の近藤勇だ!」
「はじめまして。」
近藤「そして向かって右側が副長の土方歳三。こちらは山南敬助!」
この人が土方さん...
私は土方さんの方を向いた。
って結構睨まれてるけど大丈夫っ?
真紀「私の名は春と申します」
海斗「俺は海斗です」
正座からのお辞儀。慣れないなぁ
近藤「おおそうかっ自己紹介ありがとう。それで、新選組屯所には何の用なんだ?」
きた...大丈夫。大丈夫。
真紀「実は私達、住むところがないんです。ですから、ぜひこちらで働かせて頂きたく伺わせていただきました」
土方「家がない?どういうことだ」
予想どおり、やっぱり疑ってるね。
しっかり答えないと、この門はくぐり抜けれなさそう
真紀「実は親を不逞浪士達に殺されてしまったのです。途方にくれた私たちは巡察中の新選組を見つけて..」
演技演技。
山南「付いてきたわけですね」
真紀「はい」
上出来じゃない?
海斗(よくもそんな嘘をぬけぬけと...)
近藤「そうか。それは災難だったな。うんうん、よしっ!ここで働かせてあげよう。そしたらここに住むこともできるしな!」
やったーーっ
信じてくれた?
土方「近藤さん!」
近藤「なんだ?」
土方「そんな簡単に信じてしまっていいのかよ!長州の間者かもしれないんだぞ!!」
って、この人はなかなかそううまくはいかないか。
真紀「じゃあどうしたら信じてもらえるのですか?」
近藤「そうだぞ歳。むやみに人を疑ってはいかん!」
近藤さん優しい!!
いいねいいね!
土方「・・・」
すると土方さんは何分か考えた後、近藤さんの熱意に負けたのか、ここに住むことを了承してくれた。
土方「ったくーわかったよ。ただし、妙な動きを見せたら即座に殺すからな」
真紀「わかりました。」
山南「それで、君たちは何歳なのですか?」
山南さんは海斗に目をやった
山南「元服もしていないようですし、変に髪が短いようですし」
海斗「俺は15です。」
海斗(おっおい真紀、元服ってなんだよ?)
海斗が小声で私に聞いてきた
真紀(私たちの時代での成人式のこと)
海斗(だったらさっさと元服したほうがいいんじゃないか?その方が働きやすそうだし)
真紀(何言ってるの?!元服なんて海斗は絶対ダメ。失敗したらすぐに切腹になるんだから!)
海斗は失敗ばかりしそうだから、お腹がいくつあっても足りなそう
近藤「じゃあ小姓にしたらどうだ?」
山南「小姓なら私も賛成です。元服してない子供でもできますしね」
土方「じゃあ誰の小姓にすんだ?」
((パッ))
全員の隊士が土方さんの方を見た
土方「お、俺か!?」
近藤「歳なら安心だ!」
土方「おいおい...」
これで海斗は安心だと思う。
私は何をすれば?
近藤「真紀くんにはご飯の支度とかの家事をやってもらおう!女子が1人もいなくて大変だったからな!」
真紀「はい!任せてください!」