土方「じゃあ、真紀たちは行ってくれ」
永倉「本当に殺すのかよ...」
土方「これはもう決めたことだ。口だしは無用。」
永倉「ちっ...」
真紀「ほら!お酒がありますよ!」
私たちは近くにある居酒屋に入った。
少しでも元気を取り戻してほしい。
これが精一杯の励まし・・・
真紀「永倉さん、大丈夫ですか?」
一言も話さないなんて珍しすぎる
どんなに土方さんに怒られて落ち込んだ日でもすぐに立ち上がってたのに
それだけショックだったのかな
永倉「真紀は悔しくないのか?」
やけ酒を飲んで言う。
真紀「・・・私だって悔しいですよ」
永倉「だよな」
真紀「ですけど、私が中に入ってはいけないことだと思うんです。だから何も言いません」
永倉「・・・」
未練はタラタラ
(はぁーーー)
私は頬杖をついた。
本当にこのままでいいの?
なんのためにここにきたんだろ?
タイムスリップして、なんのために?
なにかすべきことがあるんじゃないの?
(歴史を変える)
ふと聖水の言葉が蘇る。
歴史を変える...?
なぜ?
なんで私にそんなことを託したの?
頭がこんがらがってきた〜
でも、まずは行動だ!!
(ガタッ)
永倉「え?どうした?」
いきなり立つ私を見てビックリしているようだ。
真紀「永倉さん!ちょっと行ってきます!」
永倉「行くってどこにだよ!」
真紀「そ、それは内緒です!ですけど必ずすぐに戻ってくるのでここにいてください!」
ごめんなさい
あんなに止めてた私が行くなんて...
私は走った。
土方さんたちの元へ
真紀「ハァハァ着いた・・・」
みんなは?
(カキンッ)
刀のぶつかる音!
ということはこっちだ!!
真紀「いた!」
私は自分の差している刀を確認して中に入ろうとした。
だけど、
(グイッ)
え?
誰かに腕を掴まれた
平助「なにやってんだよ!!」
真紀「平助くん!」
平助「とにかく戻れ!真紀も巻き添えをくらうかもしれないから!」
真紀「でも、私は・・・!」
平助くんの手を振りほどいて私はどんどん中に入った。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
この声は!
(バン!)
私は勢いよく襖を開けた。
それと同時に皆が私に注目する
沖田「真紀ちゃん?!」
土方「おまえ...!!」
土方さんも平助くんと同じことを言うんだろう。
私は無視して梅さんの手を取った
真紀「梅さんこっち!」
私がここに来たのは梅さんを助けるため
芹沢さんがたとえみんなのじゃまだとしても梅さんが殺される必要はない
土方(巻き添えをくらって死ぬかもしれないな)
土方さん...
あの言葉って梅さんも一緒に殺すってことですよね?
そんなのやっぱりおかしい
梅「真紀ちゃん!!ハァハァ」
やばっ!
梅さんのこと考えずに走りすぎた!
梅「ハァハァハァハァ」
真紀「ご、ごめんなさい。全力疾走してしまって・・・」
梅「いいのよ」
笑ってくれた。
優しいな。
梅「それよりどうしてきたの?真紀ちゃんが来たら危ないんじゃないかな?」
私の心配までしてくれている。
真紀「きっとあのまま、あの場所にいたら殺されます」
これが私の一つ目に託されたことなのかも
真紀「梅さんにはもっと生きていてほしいんです!愛する人と一緒にいることも大切だけど、愛する人..芹沢さんは梅さんがもっと自由に生きることを望んでいます!」
命の大切さ・・・
梅「私が自由に?」
真紀「はい。芹沢さんは新撰組という中で生活していく上で危険な目に何回もあっているはず。ということは芹沢さんと一緒にいた梅さんにも苦労がたくさんあったはずです。」
思い当たる節があるんだろう
梅さんの目にはうっすらと涙が浮かんでいた
真紀「私が梅さんの手を取った時、芹沢さんが一瞬微笑んでいました」
私のあの行動は正解だった
芹沢さんは、梅さんだけは助けてあげたいと思っていたはず。
だから微笑んでいたんだろう
梅「あの人が...」
芹沢「すまないな...」
梅さんにはそんな芹沢さんの声が聞こえたように感じた