真紀「芹沢さんって本当に悪い人なんですか?」
山南「どういうことですか?」
山南さんは不思議そうに聞いてきた。
真紀「芹沢さんだって何か理由があってやっていることかもしれないし....」
おねがい。みんなわかって!
永倉「俺も真紀ちゃんと同意見だ」
永倉さん!
山南「ですが、上からのお言葉もありますし・・・」
それから、長い沈黙が続いた
土方「こうしていてもらちがあかねぇ。とりあえず今日は解散だ」
みんなそれぞれの部屋に戻っていく
真紀「土方さんっ!」
私は土方さんを呼び止めた
土方「わかってる、お前の言いたいことは」
真紀「・・・」
土方「今の新選組があるのは芹沢さんのおかげだ。あの人がいなかったら新選組という名すらなかっただろうよ。」
それなら!
土方「だが俺は、近藤さんを今よりもっとすごい武士にしたいんだ」
・・・え?
土方「お前は知らないと思うが俺は石田散薬っていうのを売っていた、ただの農民にすぎなかった」
土方さんは薄暗い雲の中から照らす月を見上げながらいった。
土方「それが今では新選組の副長としてここにいる。何故だかわかるか?」
真紀「近藤さんがいたから..」
土方「近藤さんのおかげで俺はここにくることができたし、あいつらにも会うこともできた。だから俺は近藤さんに感謝してるんだ」
じゃあ、
真紀「芹沢さんを落としてでも近藤さんを上に?」
土方「ああ。」
そっか。そういうことね。
これは土方さんたちが踏まなければいけないルート。
私が口だしちゃいけないのかも。
(梅さん...)
自然と涙が出てきた。
土方「真紀」
真紀「土方さんは、土方さんは!残された人の気持ちを考えたことがあるんですか?!」
(お母さん...!お父さん...!)
子供の頃の私。
寂しかった。
誰もいなくて...寒くて...
こんなこと、経験してほしくない
気付いたら私は土方さんの襟首を掴んでいた
真紀「梅さんはどうするんですか...?」
ポロポロと落ちる涙。
私自身の悔しさも入っている。
土方「この際、殺すな」
真紀「うっう〜うっ」
(ギュッ)
土方「....泣くな」
真紀「誰のせいだと思ってるんですか!!」
涙でしわくちゃな顔の私を包んでくれた土方さんの手は暖かくて
すごく
ーーードキドキした...