あれ?わたしがおかしいの?思わず笑いがこみ上げてきた。
だって、この手の平には、いったい何が残るのでしょう?
きれいになりたい、わたしは汚い。けれど、その感情は何に変えられるの?
耐えきれなくて、クスクスと笑いを漏らしたわたしに、「なに笑ってんだよ!」と大声が飛んできたけれど。
ああわたし、汚い。こんな風にひとを笑うなんて、なんて真っ黒なんだろう。でも、今さら?だから何だというのでしょう。
彼女はそんなふうにわたしを責めることしかできない。けれど、わたしはあの子のことなんてきっとどうでもいいのだと思う。
「きれい」「汚い」感情なんて、境界を捨ててしまえば、ただそれだけで。
あの子が、彼女たちが、それがわたしにとって何だというの?
きっと何も意味を成さない。それだけの存在なのに。
結局砂粒ひとつ、何も残らない。わたしも、あの子も。