ほんの一瞬、一瞬だけ、触れた手首が熱い。もう片方の手で触れてみるとひんやりと冷たいのに、内側は熱い。火傷してしまいそう。いっそのこと、火傷してしまいたい。

ぜんぶ、ぜんぶ。燃えてしまえ。燃えてしまえば良いのに。


ほら、こうやって願ってばかりなわたしはわがままだ。汚いままなの。ハルカは、あの子のものなのに。



あの子たちはけして、わたしを泣かせたりはしなかった。

…ハルカはあまりにもあっさりと、涙を、わたしを、奪っていった。



(くるしいのに、死ぬほどうれしいの。)



足速に歩く帰り道、わたしは泣きながら帰った。夕闇深く、とけてしまえばいい。そう本気で願った。


……ほら、やっぱりわたしはどこまでも、ずるいのです。