バシャーン、とバケツのひっくり返る音、頭のてっぺんから大量のしずくを帯びた髪、そして去っていく彼女たちの太腿までのミニスカート、そこから。


去っていく白く細い脚を、こんなにも高くきれいな嘲笑いを、ただただ見つめていた。



くしゅん、くしゃみをひとつ。冷たい水をかぶったせいで、小さく弱いからだはぶるぶると震えている。

12月にこの冷水はきついなぁ。自嘲してみたら、むなしくなった。かなしくは無い、ただすこしさみしい。
ここで頼れるのはわたし自身だけ。冷えきったからだに残る、ほんのすこしのぬくもりだけが、ふんばっている。


『本田さん、それ片付けておいてね〜?』



あの子の言葉を思い出すの。

わたしはきれいになんてなれないって。